にんげんばんじさいおうがうま

【25】鈴之精神第五カ条

鈴之僧正さまは、現在二代目の院主さんですが、最初に鈴之僧正を名乗られたのは院主さんのお兄さんに当たる院家さんです。

院家さんの時代に作られた「鈴之精神第五カ条」というものがあります。

鈴之精神五カ条
一 刻苦耐労の精神(こっくたいろう)
二 剛健弘毅の精神(ごうけんこうき)
三 操業勤勉の精神(そうぎょうきんべん)
四 団結奮闘の精神(だんけつふんとう)
五 報恩積善の精神(ほうおんせきぜん)

■「刻苦耐労の精神」とは、物事を心身を苦しめるくらいに励み成すこと、とても苦労しても努めることです。苦難に耐え、労働に耐え、それに耐えうる体力を付けるべく心身を鍛えることです。

「剛健弘毅の精神」とは、心身ともにたくましく強くあることです。まだ度量が広く意思が強いことです。

「操業勤勉の精神」とは、機械などを動かして作業することを一所懸命に励むことです。

「団結奮闘の精神」とは、人と人とが目的を同じくして力を合わせ強く結びつき勇気を奮って戦い力いっぱい努力し立ち向かうことです。

「報恩積善の精神」とは、恩に報いること恩をいつまでも忘れずに恩返しをすることです。善行を積み重ねていれば必ず善い報いがあります。

■この「鈴之精神五カ条」を守り努めれば、自然と幸せが訪れます。

「鈴之精神五カ条」が何処に貼ってあるかですが意外な所にあります。

境内の外来のトイレの洗面台と、二階の客殿の奥にある外来トイレの洗面台に貼ってあります。

身近に有り過ぎた為に気がつかれなかった方も、この次の参拝の折に行って見て下さい。

■「鈴之僧正」の名前の由来は、院家さんが腰に下げられていた熊除け用の鈴です。熊に人が居ることを知らせて遠ざける為に用います。

では、何故、熊除けの鈴を身に着けておられたか、原因は私です。遅くまで残って仕事をしていた時、扉を開けて足音もなく院家さんが後ろに立たれていて「びっくりした!」とつい声を出してしまいました。

院家さんは脅かさないように、その日から鈴を着けられたのでした。

月刊観自在 令和2年2月号より

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